2020年9月29日火曜日

おじいちゃん、おばあちゃん大好きだよ! また遊ぼうね。


【YMCA オベリン保育園】祖父母行事のご報告
 
 今年の祖父母行事は、新型コロナウイルス感染予防の為、子どもたちからおじいちゃん、おばあちゃんにカードを送ることになりました。
 “今はなかなか会えないけれど、子どもたちの成長した姿を感じてもらいたい”という願いから子どもたちの手形・足形スタンプでカードを作ることにしました。

 乳児クラスでは「おじいちゃん、おばあちゃんいつもありがとう」という思いを込め、手形・足形のスタンプをしました。子どもたちにおじいちゃん、おばあちゃんの話を聞くと「いつも遊んでくれるの」「ご飯一緒に食べたよ」と思い出を話してくれました。りす組の子どもたちは保育者がおじいちゃん、おばあちゃんに伝えたいことを聞き、メッセージを書きました。



 カードが完成するとオベリン保育園にあるポストに投函します。「ポストに入れると、郵便屋さんがみんなのカードをおじいちゃん、おばあちゃんに届けてくれるよ」と保育者に教えてもらい、投函しました。自分たちで作ったカードを大切そうに握りしめ、「お願いします」と言って入れている子どももいました。






 幼児クラスでは、自分が作りたいカードのデザインをイメージし、その1枚におじいちゃん、おばあちゃんへの思いを詰め込んで作りました。
 “元気にしてるかな?” “早く会いたいな!” “また一緒に遊びたい!” “おじいちゃんもおばあちゃんも大好き!”  一人ひとりが自分の思いを形にしていきます。


 心を込めて作ったカードを見て「喜んでもらえるかな」「早く届いてほしいな」とワクワクした様子で話します。


 「でもこのままじゃ届かないからポストに入れなくっちゃね!」と気が付きました。
 そこで、園周辺のポストを調べ、自分の手で投函することにしました。
 ポストをみつけると足早に近づきます。ドキドキワクワクの子どもたち。
 “ちゃんと届きますように”そんな願いを持って投函しました。


 数日後、祖父母のもとに無事届いたことを知るとようやく安心した様子で、嬉しそうに教えてくれました。

 今回、例年とは違った形の祖父母行事となりましたが、遠く離れていたり、普段なかなか会うことのできない祖父母の方にもカードを届けることができ、より繋がりを感じられたように思います。
 「可愛いカードが届いて嬉しかった」「なかなか会えないので大きくなったことを感じられて嬉しい」という声も聞くことができ、子どもたちだけでなく、私たちも心が温かくなりました。

 また、9月16日(水)にはオンラインツールzoomを使用し、祖父母のみなさまにむけて頭や身体を使った体操を行いました。
 横浜YMCA健康教育事業の職員がリーダーとなり、指先の体操を始め、頭を使いながら身体を動かしていきます。

 少し難しい動きもあり「難しい~」とおしゃる祖父母の方もいましたが、身体を動かしたり、普段顔を合わせることの少ない祖父母同士での交流が持てたりしたことに、少しでもリフレッシュすることができていればと思いました。参加くださったみなさま、ありがとうございました。



 このような状況にあるからこそ、人と人との繋がりを大切にしていきたいと強く思いました。今回の活動だけで終わるのではなく、この繋がりを増やし、広げていきたいと思います。

                       YMCAオベリン保育園 中島、矢崎

2020年9月26日土曜日

夏と秋の間

【YMCAオベリン保育園】あそびの森のご報告  

 <あそびの森 秋>がスタートしました。今回は卒園児と在園児あわせて25人と、たくさんの仲間で森へ向かいました。前回は雨の森で様々な発見がありましたが、今回はとってもいい天気! どんな発見があるのか、みんなで楽しみに出発しました。
   バスの中では、卒園児が久しぶりに会った友だちと近況を話したり、「なにしてあそぶ?」と目的地のアサザ池でのことを思い浮かべて考えたりと会話が弾みました。そうしているうちにあっという間に小山田緑地の駐車場へ到着。駐車場からアサザ池を目指して歩きます。 

   木に囲まれた森の道は木陰のおかげでひんやりしていました。


 「あれ、すずしい」とアスファルトの道との温度の違いを感じていました。森の道を上ったり下ったりしている途中では、すでにたくさんの自然が子どもたちを待っていました。


ドングリ、トカゲやクモの巣、大きな木。どれもが子どもたちにとっては大きな発見です。


 みんなで発見を共有し、喜びながら向かいます。すると段々と青いスズランテープが巻かれた木が増えていきます。近くにあった看板を読んでみると、木の水分を取る力を奪う虫が住み着いているため、木の保護と被害を記録するために青いスズランテープがついているとのこと。 「そっかあ、枯れちゃうのかな」 「誰がつけたのかな」 それを聞いて話し合い、見えないところでの虫や自然の力、それに関わる人について考えていました。
 
 そして、アサザ池に到着。子どもたちはがけ登りや、生き物探しを楽しみました。 がけ登りでは、「前回は雨で登れなかったから!(今日こそは)」と挑戦していく子どもたち。


 最初は中々登ることが難しく、上に進まない様子でしたが、段々と身体の使い方を覚え、すいすいと登れるようになりました。登り切った子どもたちの表情はキラキラしていて達成感に満ち溢れていました。

  一度上ると簡単にできてしまうがけ登り。後から登ってくる友だちに「葉っぱは千切れるからつかまない方がいいよ」「この土に手を置くといいよ」と伝えたり、「頑張れ!」と応援したりしていました。 
 
 生き物探しでは、トカゲやカエル、コオロギなどを捕まえていました。今までは捕まえて何の虫かなと考えていた子どもたち。小学生の虫に詳しいお兄さんたちが、一つ一つ説明してくれました。保育園の子どもたちは真剣に聞いていました。

 その中でもみんなが夢中になったのはザリガニでした。小さい池でザリガニを見つけ、手で捕まえました。小学生は簡単に持ててしまうザリガニには、大きなハサミが。「触りたい」と4歳児クラスのお友だちが言いました。


 「いいよ」と地面におろされたザリガニはハサミを大きく広げ、捕まらないようにと威嚇します。その姿に中々触れることができないでいると、「虫かごの中の方が触りやすいよ」と小学生が教え、教えてもらった子は、なるほどと言うようにザリガニに触れようと頑張っていました。

 『捕まえた生き物は住んでいる場所に戻そう』と最初にルールを確認していました。帰る時間になると自分から、それぞれ捕まえた生き物と別れていました。
 帰り道、楽しかったことや嬉しかったこと、また、久しぶりに会った小学生同士、近況を話しながら森と田んぼの間を歩いていきます。すると緑色の森の中に鮮やかな黄色が。
 そこにはこれから大きく実り、収穫をされるであろう稲が風に揺れていました。じーっと見つめる子どもたち。


 子どもたちの中には、保育園でみんなでお米を育てた学年もいました。自分たちが育てたこと、大きいお兄さんお姉さんが育てていたことを思い出したのでしょうか。気づくと、今まで育てたお米についてや、今の5歳児が育てている大豆の話しで盛り上がっていました。
 
 9月の森は夏でしょうか。それとも秋でしょうか。行きのバスの中で「今は夏だよね」「いやいや秋じゃない?」と子どもたちが話していました。実際小山田緑地に行ってみると、ザリガニやカエルなどの夏の生き物や、コオロギやドングリ、稲など秋を感じる自然、両方が大きな森の中で一緒に住んでいました。すぐに季節は過ぎて秋になってしまうでしょう。今しか味わえない『夏と秋の間の森』での発見や自然との出会いを友だちと楽しんだあそびの森となりました。
 次回のあそびの森は10月24日(土)です。その時だからこその森やそこに生きる自然と出会うことを楽しみにしています。


YMCAオベリン保育園 荒井


2020年9月11日金曜日

平和ってなんだろう


 【YMCAオベリン保育園】平和への取り組みのご報告 その5

   乳児クラスで平和について子どもたちと考える機会を持ちました。
 りす組(2歳児)では一日目、クラスの友だち一人ひとりの写真を子どもたちと見ました。保育者が「どんな顔してる?」と聞くと「いいお顔!」「笑ってる!」「ニコニコ」と写真の顔が笑顔だったことに気付きました。全員分の写真を並び終えると子どもたちもつられて笑顔になっていました。「今みんなはどんな顔をしている?」と聞くと自分たちが笑顔だったことに気付き「ニコニコだ~!!」と飛び跳ねて喜んでいました。
 その後、「じゃあこの写真の顔がプンプン怒っている顔だったら?」「えんえん泣いていたら?」と聞くと「悲しい」「嫌だ」「楽しくない」と思ったことを言葉にしてくれました。「ニコニコだと楽しいね」と一人の子どもが言うと、「楽しいがいいよね」と周りの子どもも言い始めました。「ニコニコって楽しいよね。平和ってみんながニコニコで過ごすことなんだよ」と伝えると「平和ってニコニコ!」と何度も繰り返し話していました。

 

 二日目は、前回の「平和はみんながニコニコで過ごすこと」を振り返り、どうしたらみんながニコニコで過ごせるかを考えました。保育者の問い掛けに少し考える子どもたち。すると一人の子どもが「貸してってしていいよって言われたら嬉しい」と言いました。他の子どもたちも「いいよってされたらニコニコになる」「貸してもらえたら嬉しい」と教えてくれました。りす組の子どもたちがこんなに考えてお話してくれることをとてもうれしく思いました。

 平和についてのお話しの後に各クラスで折り鶴を折りました。
 ことり組(0歳児)、うさぎ組(1歳児)は、クレヨンやペンで書いた手作り折り紙で鶴を折りました。りす組は和紙を絵の具で染めた染め紙を折りました。「へいわ~か~わ~のように~」と歌いながら、みんなで鶴を折りました。

 今回、子どもたちと改めて平和について考える時間を持ったことで、子どもたちの感じていることに気付かされたり、生活の中にも小さな幸せがたくさんあることに気付いたりしました。今こうして笑顔で毎日過ごす事ができることも平和であるからだ、と強く感じます。   
 これからも、小さな幸せを喜びながら子どもたちと過ごしていきたいです。

                         YMCAオベリン保育園  中島

2020年9月10日木曜日

平和を考え、行動にうつしてみる

 【YMCAオベリン保育園】平和への取り組みのご報告 その4


 「隣の子を見てみよう!自分の顔と同じかな?」

 そんな問い掛けに、幼児ぐみの子どもたちは「目が違う!」「髪の毛が違う」「足の大きさも違うよ」と楽しそうに教えてくれました。


絵本「かみさまのゆめ」を保育者と読みました。



 『前回、平和のお話に出てきた国を覚えているかな?』と子どもたちに質問をすると「カンボジアだよね」「靴を履けない国もあるんだよね」としっかり覚えていた子どもたち。


 『カンボジアの子とみんなは一緒かな?』「違うよ、顔が違うかな」「靴持ってるしね」と身近な友だちとはまた違う、‘‘違い‘‘に気付いていました。



 『世界は、日本とカンボジアだけでできてる?』

 「アメリカ!ブラジル!、、」子どもたちは、12か国名で息詰まり「本当はもっとたくさんあるの」と国の多さや、そこに住む動植物、海や空を含めた世界の大きさに気付きました。


 『少し難しい質問するよ?今、自分と違う所をたくさん見つけられたけど、同じ物はなんでしょう?』

 「、、、」子どもたちは一生懸命に考えますが思いつきませんでした。


 そこで、先ほど読んだ絵本を振り返る事になりました。絵本のなかには「神さまの心のかけらがみんなの中にあって、そのかけらが集まると1つになること」が書いてありました。それは文化や見た目の違いに関係なく、等しくある事を指していました。






 次に、この心のかけらを一つにするにはどんな方法があるかグループごとに分かれて考えました。



 「大丈夫って言う?」「ぎゅうってする?」
 『でも、会えないくらい遠かったり大きかったりしたらどうしたらいいかな』と保育者が質問しました。すると「思う、祈る」という意見があがりました。

 普段の生活の中で、子どもたちと日々の出来事や様々な恵みに感謝し、災害や病で苦しんでいる人々の事を祈ってきました。その取り組みが子どもたちにとって「思う、祈る」が身近なものとなり、一つの答えになったのではないかと思います。

 ‘‘思い祈る‘‘形には、様々な方法がある事についても子どもたちに話しました。日本には‘‘折り鶴‘‘という文化があることを子どもたちに話しながら、保育者が大きな折り紙を折り始めました。



 子どもたちは、保育者が鶴を折る姿を真剣に見ていました。

 『折り紙ってどうやってみんなはおるの?』「角と角合わせて丁寧に折る!」『そうだよね!グシャグシャって急いで折っても上手く折れないんだよね。1折1折思いを込めて折っていくんだよね』

 そんなやりとりをしながら、大きくて凛とした鶴が折り終わりました。





 「わー!できた!綺麗」「先生すごく真剣だった」「折ってみたいな」「でも、鶴って難しいんだよね」と子どもたち。


 『1人で出来なくてもみんなの心の中には‘‘神さまの心のかけら‘‘があるから力を合わせてみようよ!平和への思いを込めて折ることで、一つになれるんじゃないかな』と伝えました。  

 すると、「やってみる!」と実際に折り鶴を折る事になりました。


 保育者や友だちと一緒に1折1折心を込めて折っていきました。出来上がると「できたよ!」と満足げに鶴の羽をパタパタとさせ「飛ばしたいなー」とポツリ。




 子どもたちの思いのこもった鶴を玄関に羽ばたかせました。自分たちの鶴が飛んでいる姿を見上げてる子どもたちの目は輝いていました。



 子どもたちはこの先大きくなっていく中で、様々な人や文化や壮大な自然に出会っていくと思います。それは安心できる居場所になるかもしれません。それはとても刺激的で、成長させてくれるかもしれません。時に自分がちっぽけに感じるかもしれません。そんな時こそ、自分のことも自分を取り巻く世界の事も愛せる人になってほしいという願いがあります。

 今年度は、‘‘心のかけら‘‘の存在に気付き、平和を思い、‘‘折り鶴‘‘に挑戦しました。子どもの慣れ親しんだ折り紙で、心を込めて折った鶴を見上げる子どもたち、、、


 ‘‘平和とは何か、何ができるか‘‘それは難しいように感じてしまいがちですが、本当に大切なものは案外すぐそばにあるかもしれません。



                          YMCAオベリン保育園 廣山




2020年9月7日月曜日

平和ってなぁに?

【YMCAオベリン保育園】平和への取り組みのご報告  その3

 幼児ぐみで『ピースブック』という絵本を通して“平和ってなぁに?”を考える時間をもちました。
 この絵本は“ピースってなぁに? 平和ってなぁに?”という問い掛けから始まり、“新し友だちできて嬉しいね もっとつくろう”と友だち同士が手をつなぐ笑顔が描かれています。 絵本のお話しは、私たちの身近な“平和”、みんなでご飯を食べられること、困った時に助け合う友だちがいること、友だちと抱き合うことなどが記されています。
 神様は私たちに3つのことを大切にしようねと話されています。 それは、隣人への愛、人への赦し、そして、平和の実現 です。そして神様は“平和を実現する人は幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる”と話されています。 「幸いってなんだろう?」「平和の実現って?」と少し難しい言葉に戸惑う子どもたち。 「神様の子どもである私たちは、平和を作ることができる力があるんだよ。平和を作る人は幸せ、素敵な人。神様が嬉しいって喜ぶことなんだよ。」と伝えると、うなずきながら自分なりに考えているようでした。 
 そこで、この絵本を見て感じたことや、子どもたちなりに考える平和について意見を出し合いながら、平和を作るために“自分にできることってなぁに?”とみんなで考えることにしました。 “平和ってなぁに?”という問い掛けに“はいっ‼”っと子どもたちは手を挙げ、自分の意見を話し出します。
 「助け合う」「大丈夫?っていう」「みんなでご飯を食べられること」「一緒に遊ぶ」「仲直り」「にこにこの顔」…たくさんの平和な言葉で溢れました。 そして、初めは“ん~”っと難しい顔で考えていた子どもたちも、お友だちの言葉を聞いて次第にニコニコと笑顔が増えていきました。 「その平和を作るためにみんなはどんなことできるかな?」と聞くと「助けること!」「仲良くすること!」「大切な人や大好きな人を思うこと!」などと話します。 絵本の中の様々な国の人が描かれているページを見て「これはアメリカ人かな?」「頭に巻いているのはエジプトだと思う」そして、「地球の人はみんなニコニコ!」と気が付くのでした。
 最後に私自身がこの絵本から感じたことを伝えました。 この絵本の中には“平和ってなぁに? みんながお靴を履けるといいね”というページがあります。 この言葉が私の胸に刺さりました。 私たち日本人は外に出る時、遊ぶ時、靴を履いています。 しかし、2年半前に訪れたカンボジアでは、大人も子どもも暑い地面、砂利の道、歩きにくい所でも裸足で歩いていたのです。 少し貧しい地域だったこともありますが、私たちが“当たり前”と思っていることは実は当たり前でなく、感謝することであったり、平和なことであるのだと感じました。   
 私はそんなカンボジアの人たちの為に何ができるかを考えました。 そして、“力になりたい”“助け合う関係でいたい”と考え、“友だち”になろうと考えました。 遠く離れたカンボジア。もう会えないかもしれない、この先何度も行くことはできないと思う、それでも私はあなたたちを忘れない。 そしてカンボジアのお友だちにも遠く離れた日本で、私たちがいつも思っていることを忘れないでほしい。 そんな思いを込めてみんなの手形を取った大きな旗を作りました。
 その話しから子どもたちは“遠く離れた人の為には何ができるかな?”“平和ってどうやって願うことで実現できるのだろう?”ということを改めて自分なりに考えているようでした。
 さて、次は幼児クラスの子どもたちが考えた意見をまとめ、平和を行動に移していけたらいいなと考えています。次回はどんな子どもたちの姿があるのでしょうか。 
                         
                                                                                  YMCAオベリン保育園 矢崎

2020年9月2日水曜日

平和について~絵本『ともだち』を通して 自分には何ができるかな~

【YMCAオベリン保育園】 平和への取り組みのご報告 その2

 8月、幼児クラスでは平和について日々の中で伝えたり、お祈りをしてきました。

 本日は、三冊の絵本を通して考える機会を持つことにしました。

 第一回目は『ともだち』という絵本を通して自分には何ができるか考えていきました。

 初めにみんなで絵本を読んでいくと…


 ”ともだちって そばにいないときも いま どうしてるかなっておもいだすひと” 

 “ひとりでは もてない おもいものも ふたりでならもてる”

といった内容に「あるある」「たしかに」「(もっと重かったら)三人でも持てるよね…」と真剣な眼差しで見つめながら相槌を打つ子どもたち。

 身近でよく見かけるような内容が多かったため、馴染みがあったのかもしれません。

 そんなたくさんのエピソードの中から、どんな気持ちかな?という項目の

 “しかられた ともだちは どんなきもちかな”

 “しっぱいを わらわれたら どんなきもちかな”

について、二つのグループに分かれて話す事になりました。

 “しかられた ともだちは どんなきもちかな”のグループは「叱られるってなんだろう」という話しに。

 「それって怒られるってことじゃない?」と子どもたち。そこから、絵の泣いている男の子の気持ちについて考えていきました。

 難しそうにしつつ、「ごめんねって言ったのに相手も怒ったのかな」「強く言われちゃったのかな」と相手の気持ちに寄り添って話していました。

 じゃあ、そんな友だちが目の前にいたら…?

 そして声の掛け方を話し合っていきました。「なにかあったの?」「怖い声で言われちゃったの?」と様々な声の掛け方があがりました。

     

 “しっぱいを わらわれたら どんなきもちかな”のグループは、絵の笑われている子どもの気持ちについて問うと「嫌な気持ち」「悲しい」「恥ずかしい気持ち」と子どもたち。

 「じゃあそんな友だちがいたらどうする?」と問うと「助ける!」とすぐに声があがりました。そして自分たちにはどんなことができるのか、その方法を話し合います。

 「大丈夫って言う」と声を掛ける方法。

 もし声を掛ける勇気が出なかったら、「友だちと言う」と仲間を増やして行動する方法。

 そして、笑ってしまった友だちについてどうするか問うと、少し迷う子どもたち。

 少ししてから「笑わないんだよって言う?」「やさしいこえで言う」などの相手を気遣いつつ、間違ってるんじゃないかと伝えることを選んでいました。

 話し合ううちに書き出していった紙は、みんなの考えた方法でいっぱいになっていました。それを見て嬉しそうに笑う子どもたち。

 「笑われた子も(この方法をしたら)ニコニコな気持ち。声を掛けた子も(友だちが笑って)ニコニコで嬉しい気持ち。笑った子もごめんねしてもやもやじゃなくなった。」と“みんなニコニコ”なことを隣の子と顔を見合わせて喜んでいました。

 そして、互いに話し合ったエピソードは五歳児のぞう組が中心となり発表しました。書き出したことを見ながら、自分とは違うグループに考えた事を伝えます。子どもたちは互いに発表を真剣に聞き合っていました。

 伝え終わってどうだったかと聞くと、真剣な顔で頷く子や、「すごい。ちゃんと話してていいね」と言葉にして相手に伝える子もいました。

 話し合いでは、なかなか思いを表現するのが難しかった子どももいましたが、その表情や仕草から友だちの意見を受け止め、「たしかにそうだな」と共感している様子が見て分かりました。

 絵本や話し合いを通して身近なエピソードでの『自分たちにできること』『平和』を考えていった子どもたち。

 それぞれが自分にできることを考えているその時点で、すでに「自分にできること」をしているのではないでしょうか。「自分じゃないからいいや」と他人事ではなく、自分事として考え、自分には何ができるのか、その一人ひとりの力が何かを変える大きな力となりますように。

 そして、この絵本には続きがあり、身近なエピソードから段々と広がり、世界の会ったことの無い友だちの話しになっていきます。

 “会ったことの無い友だちには何ができるのか。会ったことがなくても友だち”

 ”貧しい子とお金持ちの子どうすれば二人は友だちになれるだろう”

 その事にも少し触れ、会ったことの無い友だちには何ができるのか、また今度話そうねという事に。

 次の平和についての話しで、子どもたちは何を考え、伝え合うのでしょうか。保育者も一緒に平和について考えていこうと思います。

               
                    YMCAオベリン保育園 荒井