2020年6月20日土曜日

ぞう組 キャンプごっこ最終日 ~出会いと学びから広がる世界~


 【YMCAオベリン保育園】

6月19日(金)『キャンプごっこ発表会』

 発表会見に来てくれるかな?
 キャンプごっこ最終日。ぞう組の子どもたちはごっこ遊びで体験したことをひつじ組、きりん組のお友だちに発表したいと考えてました。
「ひつじさんときりんさんに来て欲しいけど、なんて言ったらいいのかな?」「わからないなー」と子どもたちは日程のお知らせの仕方に戸惑っていました。『いつ・どこで・何を』がポイントだよと保育者が知らせると「あー、そうか!」と具体的に考え始めました。


 そしてひつじ組ときりん組の帰りの会にお邪魔させてもらい、「キャンプごっこ発表会を見に来てくれる?」と聞きました。ひつじ組ときりん組の子どもたちはとても興味を持ち、「いいよ!見に行くね!」と答えてくれました。

 発表準備
 前日にグループごとに発表するテーマを決めたので、今日は発表に向けてまとめる取り組みを行いました。「発表の時にみんなが見やすくするにはどうしたらいいかな?」「昨日書いた紙だと小さくて見えないね」「大きい紙に大きな字で書こう!」と大きな模造紙に書き始めました。


「大きく書くって難しいな」


「見つけたものが見えればいいから、周りを切っているの」


「写真だけだとわからないかも、そうか!下に文字を書こう」


「のり、ぬりぬりする」


 「先生見て!私ははさみ、みんなはのりと文字で分かれてるの!」と友だちと作業を分担することに気が付いた子が嬉しそうに教えてくれました。「それは役割分担っていうんだよ!みんなですることを分けると進めやすいね!」子どもたちはグループ活動を通じて、どうしたら一つの事を、周りの友だちと力を合わせて進められるのか、気が付いたようでした。

 発表会
 これまでの取り組みの思いが詰まった大きな模造紙を手に、発表ステージ(玄関ホール)に向かいました。子どもたちは「あーもうドキドキする」と言ったり、真剣な表情になっていたりしていました。


 *一回目
 発表会がスタートしました。1回目はひつじ組さんに向けて発表します。
ところがあまりの緊張からか、とっても声の小さいぞう組の子どもたち。一生懸命なのに上手く相手に自分たちの発表が伝わりません。一通り終え、二回目が始まるまでの間に、緊急ミーティングをすることになりました。


 担任:「みんな、やってみてどうだった?」子ども:「とっても緊張した」担任:「見てくれたひつじさんは、どうだったかな?」子ども:「あんまり聞いてくれなかったし、寝っ転がってる人もいた」子どもたちは「せっかく準備して発表したのに…」と少し残念そうにしていました。次はどうしよっか?と保育者が問いかけると、「もっと声を大きくする?!」と返ってきました。そこで、大きな声ってどれくらいかな?と実際に練習してみることになりました。「これくらい?」「もっとじゃない?」と声の大きさを調節しました。そして二回目は声の大きさを意識しながら挑戦してみることになりました。

 *二回目
 2回目はきりん組さんに向けて発表します。大きく書いたテーマはグループみんなで声を合わせて言ってみたり、相手に模造紙が見えるようにしっかり持ったり、時には友だちや保育者に「何だったっけ?」と小声で相談したりしながら進めていきました。


 3つのグループのうちの1つ、見つけたものグループは「これはちょうちょで…」と絵や写真を指差して紹介していました。どこで見つけたのか質問されると「前にたけのこ採りにいったところだよ」とイメージしやすいように伝えていました。


 2つめのテントグループは、どのように立てたのかを伝えたかったようで、テントを立てた順序(時系列)を意識しながら発表をしていました。


 3つめの焚火グループは「どうやって焼いたの?」という質問に対して「もっと高くしたら見えるかな?」と模造紙を持ち上げて一生懸命見せていました。


 この二回目の発表する子どもたちの姿を見て、子どもたちが一回目の発表で気が付いたことは、『声の大きさ』だけではなかったのではと感じました。子どもたち一人ひとりが「みんなに伝えたい!」という思いが強くなったことで、より良い発表にしようとする原動力になったのだと思いました。

 閉村式
 キャンプごっこに向けて始まった午睡前のキャンプソングの集い。子どもたちは、この時間も楽しみ、キャンプごっこへの期待を日々高めていました。そんな思い入れのあるこの時間に閉村式を行い、いつものようにキャンプソングを楽しみました。

 
 そして、子どもたちは『友だちと過ごすことの尊さ』や『いつも側で見守っていてくれる存在がいるという事』や『自分の大切さ』など、全てのことに感謝の気持ちを込めて「ありがとうございました」と伝え合い、楽しかったキャンプごっこは幕を閉じました。

終わりに
 友だちと力を合わせ、多くのことに気づき、視野が広がり、子どもたちには今どのような景色が見えているでしょう。「やってみたい」から始まったこのキャンプごっこは、子どもたちに様々出来事やたくさんの人に出合わせてくれた大切な時間となりました。この場をお借りして、今回のキャンプごっこに関わってくださった方々皆様に、感謝申し上げます。
 今後も子どもたちと共に学びながら、子どもたちの発想や気づきに手助けが出来たら良いなと思います。

                          YMCAオベリン保育園 廣山