2020年9月10日木曜日

平和を考え、行動にうつしてみる

 【YMCAオベリン保育園】平和への取り組みのご報告 その4


 「隣の子を見てみよう!自分の顔と同じかな?」

 そんな問い掛けに、幼児ぐみの子どもたちは「目が違う!」「髪の毛が違う」「足の大きさも違うよ」と楽しそうに教えてくれました。


絵本「かみさまのゆめ」を保育者と読みました。



 『前回、平和のお話に出てきた国を覚えているかな?』と子どもたちに質問をすると「カンボジアだよね」「靴を履けない国もあるんだよね」としっかり覚えていた子どもたち。


 『カンボジアの子とみんなは一緒かな?』「違うよ、顔が違うかな」「靴持ってるしね」と身近な友だちとはまた違う、‘‘違い‘‘に気付いていました。



 『世界は、日本とカンボジアだけでできてる?』

 「アメリカ!ブラジル!、、」子どもたちは、12か国名で息詰まり「本当はもっとたくさんあるの」と国の多さや、そこに住む動植物、海や空を含めた世界の大きさに気付きました。


 『少し難しい質問するよ?今、自分と違う所をたくさん見つけられたけど、同じ物はなんでしょう?』

 「、、、」子どもたちは一生懸命に考えますが思いつきませんでした。


 そこで、先ほど読んだ絵本を振り返る事になりました。絵本のなかには「神さまの心のかけらがみんなの中にあって、そのかけらが集まると1つになること」が書いてありました。それは文化や見た目の違いに関係なく、等しくある事を指していました。






 次に、この心のかけらを一つにするにはどんな方法があるかグループごとに分かれて考えました。



 「大丈夫って言う?」「ぎゅうってする?」
 『でも、会えないくらい遠かったり大きかったりしたらどうしたらいいかな』と保育者が質問しました。すると「思う、祈る」という意見があがりました。

 普段の生活の中で、子どもたちと日々の出来事や様々な恵みに感謝し、災害や病で苦しんでいる人々の事を祈ってきました。その取り組みが子どもたちにとって「思う、祈る」が身近なものとなり、一つの答えになったのではないかと思います。

 ‘‘思い祈る‘‘形には、様々な方法がある事についても子どもたちに話しました。日本には‘‘折り鶴‘‘という文化があることを子どもたちに話しながら、保育者が大きな折り紙を折り始めました。



 子どもたちは、保育者が鶴を折る姿を真剣に見ていました。

 『折り紙ってどうやってみんなはおるの?』「角と角合わせて丁寧に折る!」『そうだよね!グシャグシャって急いで折っても上手く折れないんだよね。1折1折思いを込めて折っていくんだよね』

 そんなやりとりをしながら、大きくて凛とした鶴が折り終わりました。





 「わー!できた!綺麗」「先生すごく真剣だった」「折ってみたいな」「でも、鶴って難しいんだよね」と子どもたち。


 『1人で出来なくてもみんなの心の中には‘‘神さまの心のかけら‘‘があるから力を合わせてみようよ!平和への思いを込めて折ることで、一つになれるんじゃないかな』と伝えました。  

 すると、「やってみる!」と実際に折り鶴を折る事になりました。


 保育者や友だちと一緒に1折1折心を込めて折っていきました。出来上がると「できたよ!」と満足げに鶴の羽をパタパタとさせ「飛ばしたいなー」とポツリ。




 子どもたちの思いのこもった鶴を玄関に羽ばたかせました。自分たちの鶴が飛んでいる姿を見上げてる子どもたちの目は輝いていました。



 子どもたちはこの先大きくなっていく中で、様々な人や文化や壮大な自然に出会っていくと思います。それは安心できる居場所になるかもしれません。それはとても刺激的で、成長させてくれるかもしれません。時に自分がちっぽけに感じるかもしれません。そんな時こそ、自分のことも自分を取り巻く世界の事も愛せる人になってほしいという願いがあります。

 今年度は、‘‘心のかけら‘‘の存在に気付き、平和を思い、‘‘折り鶴‘‘に挑戦しました。子どもの慣れ親しんだ折り紙で、心を込めて折った鶴を見上げる子どもたち、、、


 ‘‘平和とは何か、何ができるか‘‘それは難しいように感じてしまいがちですが、本当に大切なものは案外すぐそばにあるかもしれません。



                          YMCAオベリン保育園 廣山