【YMCAオベリン保育園】平和への取り組みのご報告 その3
幼児ぐみで『ピースブック』という絵本を通して“平和ってなぁに?”を考える時間をもちました。
この絵本は“ピースってなぁに? 平和ってなぁに?”という問い掛けから始まり、“新し友だちできて嬉しいね もっとつくろう”と友だち同士が手をつなぐ笑顔が描かれています。 絵本のお話しは、私たちの身近な“平和”、みんなでご飯を食べられること、困った時に助け合う友だちがいること、友だちと抱き合うことなどが記されています。
神様は私たちに3つのことを大切にしようねと話されています。
それは、隣人への愛、人への赦し、そして、平和の実現 です。そして神様は“平和を実現する人は幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる”と話されています。
「幸いってなんだろう?」「平和の実現って?」と少し難しい言葉に戸惑う子どもたち。
「神様の子どもである私たちは、平和を作ることができる力があるんだよ。平和を作る人は幸せ、素敵な人。神様が嬉しいって喜ぶことなんだよ。」と伝えると、うなずきながら自分なりに考えているようでした。
そこで、この絵本を見て感じたことや、子どもたちなりに考える平和について意見を出し合いながら、平和を作るために“自分にできることってなぁに?”とみんなで考えることにしました。
“平和ってなぁに?”という問い掛けに“はいっ‼”っと子どもたちは手を挙げ、自分の意見を話し出します。
「助け合う」「大丈夫?っていう」「みんなでご飯を食べられること」「一緒に遊ぶ」「仲直り」「にこにこの顔」…たくさんの平和な言葉で溢れました。
そして、初めは“ん~”っと難しい顔で考えていた子どもたちも、お友だちの言葉を聞いて次第にニコニコと笑顔が増えていきました。
「その平和を作るためにみんなはどんなことできるかな?」と聞くと「助けること!」「仲良くすること!」「大切な人や大好きな人を思うこと!」などと話します。
絵本の中の様々な国の人が描かれているページを見て「これはアメリカ人かな?」「頭に巻いているのはエジプトだと思う」そして、「地球の人はみんなニコニコ!」と気が付くのでした。
最後に私自身がこの絵本から感じたことを伝えました。
この絵本の中には“平和ってなぁに? みんながお靴を履けるといいね”というページがあります。
この言葉が私の胸に刺さりました。
私たち日本人は外に出る時、遊ぶ時、靴を履いています。
しかし、2年半前に訪れたカンボジアでは、大人も子どもも暑い地面、砂利の道、歩きにくい所でも裸足で歩いていたのです。
少し貧しい地域だったこともありますが、私たちが“当たり前”と思っていることは実は当たり前でなく、感謝することであったり、平和なことであるのだと感じました。
私はそんなカンボジアの人たちの為に何ができるかを考えました。
そして、“力になりたい”“助け合う関係でいたい”と考え、“友だち”になろうと考えました。
遠く離れたカンボジア。もう会えないかもしれない、この先何度も行くことはできないと思う、それでも私はあなたたちを忘れない。
そしてカンボジアのお友だちにも遠く離れた日本で、私たちがいつも思っていることを忘れないでほしい。
そんな思いを込めてみんなの手形を取った大きな旗を作りました。
その話しから子どもたちは“遠く離れた人の為には何ができるかな?”“平和ってどうやって願うことで実現できるのだろう?”ということを改めて自分なりに考えているようでした。
さて、次は幼児クラスの子どもたちが考えた意見をまとめ、平和を行動に移していけたらいいなと考えています。次回はどんな子どもたちの姿があるのでしょうか。
YMCAオベリン保育園 矢崎