【YMCAオベリン保育園】 平和への取り組みのご報告 その2
8月、幼児クラスでは平和について日々の中で伝えたり、お祈りをしてきました。
本日は、三冊の絵本を通して考える機会を持つことにしました。
第一回目は『ともだち』という絵本を通して自分には何ができるか考えていきました。
初めにみんなで絵本を読んでいくと…
“ひとりでは もてない おもいものも ふたりでならもてる”
といった内容に「あるある」「たしかに」「(もっと重かったら)三人でも持てるよね…」と真剣な眼差しで見つめながら相槌を打つ子どもたち。
そんなたくさんのエピソードの中から、どんな気持ちかな?という項目の
“しかられた ともだちは どんなきもちかな”
“しっぱいを わらわれたら どんなきもちかな”
について、二つのグループに分かれて話す事になりました。
“しかられた ともだちは どんなきもちかな”のグループは「叱られるってなんだろう」という話しに。
「それって怒られるってことじゃない?」と子どもたち。そこから、絵の泣いている男の子の気持ちについて考えていきました。
難しそうにしつつ、「ごめんねって言ったのに相手も怒ったのかな」「強く言われちゃったのかな」と相手の気持ちに寄り添って話していました。
じゃあ、そんな友だちが目の前にいたら…?
そして声の掛け方を話し合っていきました。「なにかあったの?」「怖い声で言われちゃったの?」と様々な声の掛け方があがりました。
“しっぱいを わらわれたら どんなきもちかな”のグループは、絵の笑われている子どもの気持ちについて問うと「嫌な気持ち」「悲しい」「恥ずかしい気持ち」と子どもたち。
「じゃあそんな友だちがいたらどうする?」と問うと「助ける!」とすぐに声があがりました。そして自分たちにはどんなことができるのか、その方法を話し合います。
「大丈夫って言う」と声を掛ける方法。
もし声を掛ける勇気が出なかったら、「友だちと言う」と仲間を増やして行動する方法。
そして、笑ってしまった友だちについてどうするか問うと、少し迷う子どもたち。
少ししてから「笑わないんだよって言う?」「やさしいこえで言う」などの相手を気遣いつつ、間違ってるんじゃないかと伝えることを選んでいました。
話し合ううちに書き出していった紙は、みんなの考えた方法でいっぱいになっていました。それを見て嬉しそうに笑う子どもたち。
「笑われた子も(この方法をしたら)ニコニコな気持ち。声を掛けた子も(友だちが笑って)ニコニコで嬉しい気持ち。笑った子もごめんねしてもやもやじゃなくなった。」と“みんなニコニコ”なことを隣の子と顔を見合わせて喜んでいました。
そして、互いに話し合ったエピソードは五歳児のぞう組が中心となり発表しました。書き出したことを見ながら、自分とは違うグループに考えた事を伝えます。子どもたちは互いに発表を真剣に聞き合っていました。
伝え終わってどうだったかと聞くと、真剣な顔で頷く子や、「すごい。ちゃんと話してていいね」と言葉にして相手に伝える子もいました。
話し合いでは、なかなか思いを表現するのが難しかった子どももいましたが、その表情や仕草から友だちの意見を受け止め、「たしかにそうだな」と共感している様子が見て分かりました。
絵本や話し合いを通して身近なエピソードでの『自分たちにできること』『平和』を考えていった子どもたち。
それぞれが自分にできることを考えているその時点で、すでに「自分にできること」をしているのではないでしょうか。「自分じゃないからいいや」と他人事ではなく、自分事として考え、自分には何ができるのか、その一人ひとりの力が何かを変える大きな力となりますように。
そして、この絵本には続きがあり、身近なエピソードから段々と広がり、世界の会ったことの無い友だちの話しになっていきます。
“会ったことの無い友だちには何ができるのか。会ったことがなくても友だち”
”貧しい子とお金持ちの子どうすれば二人は友だちになれるだろう”
その事にも少し触れ、会ったことの無い友だちには何ができるのか、また今度話そうねという事に。
次の平和についての話しで、子どもたちは何を考え、伝え合うのでしょうか。保育者も一緒に平和について考えていこうと思います。