2020年9月26日土曜日

夏と秋の間

【YMCAオベリン保育園】あそびの森のご報告  

 <あそびの森 秋>がスタートしました。今回は卒園児と在園児あわせて25人と、たくさんの仲間で森へ向かいました。前回は雨の森で様々な発見がありましたが、今回はとってもいい天気! どんな発見があるのか、みんなで楽しみに出発しました。
   バスの中では、卒園児が久しぶりに会った友だちと近況を話したり、「なにしてあそぶ?」と目的地のアサザ池でのことを思い浮かべて考えたりと会話が弾みました。そうしているうちにあっという間に小山田緑地の駐車場へ到着。駐車場からアサザ池を目指して歩きます。 

   木に囲まれた森の道は木陰のおかげでひんやりしていました。


 「あれ、すずしい」とアスファルトの道との温度の違いを感じていました。森の道を上ったり下ったりしている途中では、すでにたくさんの自然が子どもたちを待っていました。


ドングリ、トカゲやクモの巣、大きな木。どれもが子どもたちにとっては大きな発見です。


 みんなで発見を共有し、喜びながら向かいます。すると段々と青いスズランテープが巻かれた木が増えていきます。近くにあった看板を読んでみると、木の水分を取る力を奪う虫が住み着いているため、木の保護と被害を記録するために青いスズランテープがついているとのこと。 「そっかあ、枯れちゃうのかな」 「誰がつけたのかな」 それを聞いて話し合い、見えないところでの虫や自然の力、それに関わる人について考えていました。
 
 そして、アサザ池に到着。子どもたちはがけ登りや、生き物探しを楽しみました。 がけ登りでは、「前回は雨で登れなかったから!(今日こそは)」と挑戦していく子どもたち。


 最初は中々登ることが難しく、上に進まない様子でしたが、段々と身体の使い方を覚え、すいすいと登れるようになりました。登り切った子どもたちの表情はキラキラしていて達成感に満ち溢れていました。

  一度上ると簡単にできてしまうがけ登り。後から登ってくる友だちに「葉っぱは千切れるからつかまない方がいいよ」「この土に手を置くといいよ」と伝えたり、「頑張れ!」と応援したりしていました。 
 
 生き物探しでは、トカゲやカエル、コオロギなどを捕まえていました。今までは捕まえて何の虫かなと考えていた子どもたち。小学生の虫に詳しいお兄さんたちが、一つ一つ説明してくれました。保育園の子どもたちは真剣に聞いていました。

 その中でもみんなが夢中になったのはザリガニでした。小さい池でザリガニを見つけ、手で捕まえました。小学生は簡単に持ててしまうザリガニには、大きなハサミが。「触りたい」と4歳児クラスのお友だちが言いました。


 「いいよ」と地面におろされたザリガニはハサミを大きく広げ、捕まらないようにと威嚇します。その姿に中々触れることができないでいると、「虫かごの中の方が触りやすいよ」と小学生が教え、教えてもらった子は、なるほどと言うようにザリガニに触れようと頑張っていました。

 『捕まえた生き物は住んでいる場所に戻そう』と最初にルールを確認していました。帰る時間になると自分から、それぞれ捕まえた生き物と別れていました。
 帰り道、楽しかったことや嬉しかったこと、また、久しぶりに会った小学生同士、近況を話しながら森と田んぼの間を歩いていきます。すると緑色の森の中に鮮やかな黄色が。
 そこにはこれから大きく実り、収穫をされるであろう稲が風に揺れていました。じーっと見つめる子どもたち。


 子どもたちの中には、保育園でみんなでお米を育てた学年もいました。自分たちが育てたこと、大きいお兄さんお姉さんが育てていたことを思い出したのでしょうか。気づくと、今まで育てたお米についてや、今の5歳児が育てている大豆の話しで盛り上がっていました。
 
 9月の森は夏でしょうか。それとも秋でしょうか。行きのバスの中で「今は夏だよね」「いやいや秋じゃない?」と子どもたちが話していました。実際小山田緑地に行ってみると、ザリガニやカエルなどの夏の生き物や、コオロギやドングリ、稲など秋を感じる自然、両方が大きな森の中で一緒に住んでいました。すぐに季節は過ぎて秋になってしまうでしょう。今しか味わえない『夏と秋の間の森』での発見や自然との出会いを友だちと楽しんだあそびの森となりました。
 次回のあそびの森は10月24日(土)です。その時だからこその森やそこに生きる自然と出会うことを楽しみにしています。


YMCAオベリン保育園 荒井